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Blog Detail歯周病の重症度は何で変わる?喫煙・タバコと歯周病の関係を専門医が解説|戸越なかやま歯科
歯周病の重症度は何で変わる?―喫煙と歯周病の深い関係―
「歯周病は多くの人がかかる病気」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
日本臨床歯周病学会では、30歳以上の成人の約80%が歯周病にかかっていると紹介されています。また、厚生労働省の令和6年歯科疾患実態調査でも、15歳以上の47.8%に4mm以上の歯周ポケットが認められています。評価方法によって数字は異なりますが、歯周病が非常に身近な病気であることは間違いありません。
しかし、ここで一つ疑問があります。
これだけ多くの人が歯周病に罹患しているのに、なぜ歯周病がほとんど進行しない人と、若いうちから歯を支える骨が大きく失われてしまう人がいるのでしょうか?
今回は、歯周病の重症度を左右する要因の中でも、特に重要な**「喫煙」**についてお話しします。
歯周病は「歯周病菌がいる」だけでは重症度を説明できません
歯周病の大きな原因は、歯の周囲に付着するプラーク(歯垢)と、その中に存在する歯周病原細菌です。
しかし、同じようにプラークが付着していても、すべての人の歯周病が同じスピードで進行するわけではありません。
歯周病がどの程度進行するかには、
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歯周病原細菌やプラークの状態
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喫煙
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糖尿病などの全身疾患
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遺伝的・宿主側の要因
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年齢
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毎日のセルフケア
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歯科医院での定期的なメインテナンス
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これまでの歯周病の進行速度
など、さまざまな要因が関係します。
つまり、歯周病を治療するためには、歯石を取るだけではなく「なぜこの患者さんの歯周病がここまで進行したのか?」を考えることが非常に重要です。
歯周病には「現在の重症度」と「進行しやすさ」という考え方があります
現在の歯周病の分類では、歯周病を評価するときに**Stage(ステージ)とGrade(グレード)**という考え方があります。
簡単にいうと、
Stage:現在、歯周組織がどの程度破壊されているか
Grade:今後、どのくらいの速度で歯周病が進行する可能性があるか
を評価するものです。
そして、このGradeを判断するうえでも喫煙は重要なリスク因子の一つとして扱われています。
国際的な歯周病分類では、喫煙本数もGradeを評価する際の修飾因子として組み込まれています。
つまり、喫煙は単なる生活習慣の一つではなく、歯周病の進行を考えるうえで非常に重要な要素なのです。
喫煙すると歯周病はどうなる?
日本臨床歯周病学会でも、喫煙者は非喫煙者と比較して、
歯周病にかかりやすく、重症化しやすく、さらに治療を行っても治りにくい
ことが指摘されています。
では、なぜタバコによって歯周病が悪化するのでしょうか。
① 歯ぐきへの血流が悪くなる
タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があります。
その結果、歯ぐきへの血液や酸素、栄養の供給が低下し、歯周組織が本来持っている治癒能力にも影響を与えます。
② 体の免疫機能に影響する
歯周病は、細菌だけによって組織が破壊される病気ではありません。
歯周病菌に対して起こる私たち自身の免疫・炎症反応も、歯周組織の破壊に大きく関係しています。
喫煙はこうした免疫機能にも影響を及ぼすため、歯周病に対する体の防御機能が正常に働きにくくなります。
③ 傷を治す細胞の働きにも影響する
歯周病治療では、治療後に歯ぐきや歯周組織が治癒していくことが非常に重要です。
しかしニコチンは、組織の修復に関与する線維芽細胞の働きにも影響するとされています。
そのため、喫煙者では歯周基本治療だけでなく、歯周外科治療などを行った場合にも治療効果が得られにくくなることがあります。
喫煙者は「歯ぐきから血が出ない」ことがある
ここは非常に重要なポイントです。
一般的に歯周病になると、
「歯磨きをすると血が出る」
「歯ぐきが赤く腫れる」
といった症状が現れます。
ところが喫煙者では、ニコチンによる血管収縮などの影響によって、歯周病が進行していても歯ぐきからの出血や腫れが目立ちにくくなることがあります。
つまり、
「歯磨きをしても血が出ないから歯周病ではない」
とは限らないのです。
むしろ喫煙者の場合、目立った症状がないまま歯周病が進行しているケースもあるため注意が必要です。
歯周病治療において禁煙はとても重要です
歯周病治療というと、
「歯石を取る」
「歯磨きを頑張る」
「必要であれば歯周外科治療や再生療法を行う」
というイメージを持つ方が多いと思います。
もちろん、これらは非常に重要です。
しかし、重度の歯周病を治療するときには、口の中だけを見ていては十分ではありません。
もし歯周病を悪化させているリスク因子があるのであれば、そのリスク因子にもアプローチすることが歯周病治療の重要な一部になります。
その代表的なものが喫煙です。
禁煙によって歯周病のリスクが低下することや、治療後の経過が改善することも報告されています。
そのため当院では、特に中等度から重度の歯周病の患者さんについては、喫煙されている場合、治療と並行して禁煙についてもお話ししています。
これは単に、
「体に悪いからタバコをやめましょう」
ということではありません。
「できる限り歯を残すために、治療が成功しやすい環境を一緒につくる」
という意味があります。
実際に禁煙に取り組まれた歯周病治療の症例
喫煙は歯周病を悪化させる重要なリスク因子の一つですが、禁煙を含めてリスク因子をコントロールしながら適切な歯周病治療を行うことで、歯周組織の状態が改善することがあります。
当院では実際に、歯周病治療をきっかけに禁煙に取り組まれ、歯周基本治療や必要な治療を行うことで良好な経過が得られた患者さんもいらっしゃいます。
治療前後の口腔内写真やレントゲン写真、歯周組織の変化については、症例紹介ページで詳しくご紹介しています。
※治療結果には個人差があります。




