インプラント
治療前
治療後
前歯がぐらつき始め、「できるだけ負担を抑えながら自然な見た目を回復したい」と希望される方は少なくありません。神経を失った歯は歯根破折のリスクが高く、特に金属の土台(メタルポスト)が入っている場合は注意が必要です。歯根が割れてしまうと周囲の骨が急速に吸収し、その後のインプラント治療が難しくなることがあります。本症例では、抜歯と同時にリッジプリザベーション(歯槽堤温存術)を行い、骨や歯肉の形態を維持しながらインプラント治療を進めた症例をご紹介します。
Case治療経過

破折した歯根に沿って骨の吸収を認めます

骨補填材を填入

Cytoplast®で補填材を覆う
初診時には、歯根破折に伴い歯根に沿った骨吸収が認められました。抜歯後に骨の幅が大きく失われると、将来的なインプラント治療のために追加の骨造成が必要になる場合があります。そこで本症例では、抜歯と同時にリッジプリザベーションを行い、骨や歯肉の形態維持を目指しました。使用したCytoplast®は細菌の侵入を防ぐ特性があり、あえて口腔内へ露出させた状態で管理します。これにより骨の再生を促すだけでなく、歯肉の幅の維持にもつながることが期待できます。
| 主訴 | 歯がグラグラ揺れ始めた |
|---|---|
| 治療内容 | 本症例では、抜歯と同時にリッジプリザベーションを行いました。これにより、後のインプラント治療に必要な骨の幅を維持しながら、歯肉の幅も保つことを目指しました。追加の骨造成手術をできるだけ減らし、治療回数や患者様への負担を抑えたインプラント治療につながったケースです。 |
| 患者様の年齢 | 38歳 |
| 患者様の性別 | 男性 |
| 治療期間 | 9ヶ月 |
| 治療費 | 60万円 |
| 治療で得られるメリット | 抜歯と同時に骨の回復を図ることで、追加手術の回数を減らし、比較的負担の少ないインプラント治療につながる可能性があります。 |
| 治療する際に起こるリスク・副作用 | 手術後に歯肉の腫れや一時的な痛みが生じる場合があります。 |
Caseインプラント埋入時

インプラント治療時の口腔内写真

インプラント埋入時の口腔内写真

インプラント治療後5年経過時の口腔内写真
リッジプリザベーションによって骨と歯肉の形態を維持したうえでインプラントを埋入しました。治療後5年が経過した時点でも安定した経過が認められ、周囲組織との調和も維持されています。前歯部のインプラント治療では、歯を失った部分を補うだけでなく、周囲の骨や歯肉の状態を維持することが重要です。同様のお悩みをお持ちの方も、状態に応じた治療方法を検討することで、負担を抑えながら機能性と審美性の回復を目指せる場合があります。

医療法人社団TND 理事長/歯科医師
中山 亮平
日本歯周病学会 専門医
日本口腔インプラント学会 専門医
日本臨床歯周病学会 学会未来委員会 委員
- 2011年3月 東京歯科大学 歯学部卒業
- 2013年3月 慶應義塾大学医学部 歯科・口腔外科学教室 研修医 修了
- 2016年4月 慶應義塾大学医学部 歯科・口腔外科学教室 助教
- 2018年11月 戸越なかやま歯科 開業
- 2024年12月 医療法人社団TND 設立



