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Blog Detailインプラント学会の年次大会でインプラント周囲炎の再生治療について発表しました|戸越なかやま歯科
先日、インプラントに関する学会にて、当院院長がインプラント周囲炎に対する治療について症例発表を行いました。
今回発表したテーマは、
「ハイリスク患者のインプラント周囲炎に対し、Er:YAGレーザーを併用し積極的に再生治療を行った1症例」です。
インプラント治療は、失った歯を補う非常に有効な治療方法ですが、治療が終われば一生問題が起こらないわけではありません。
天然歯が歯周病になるのと同じように、インプラントの周囲にも炎症が起こることがあります。その代表的な疾患が**「インプラント周囲炎」**です。
インプラント周囲炎は、インプラントの周囲に炎症が起こり、進行するとインプラントを支えている骨が徐々に失われていく病気です。発表で引用した報告では、患者単位でインプラント周囲炎は約22%にみられるとされており、決して珍しい問題ではありません。
特に重要なのは、できるだけインプラント周囲炎を発症させないこと、そして発症してしまった場合には早期に治療することです。
骨吸収が進行したインプラントでは、将来的にインプラントを失うリスクが高くなるため、状態に応じて非外科的治療だけでなく、外科的な治療を検討することもあります。
今回発表した症例では、すでにインプラント周囲の骨吸収が進行しており、さらに患者さんの全身状態やインプラント周囲の組織の状態を考慮すると、インプラントを撤去するのか、それとも可能な限り残すのかという難しい判断が必要でした。
そこで、できるだけ身体的な負担を抑えながらインプラントを温存することを目的として、インプラント周囲の再生治療を行いました。
治療ではEr:YAGレーザーを併用し、インプラント表面に付着した感染源を可能な限り除去するとともに、骨再生が起こりやすい環境を整えました。
さらに、治療後にインプラント周囲を清掃しやすくするため、歯肉の環境を整える処置も行っています。
その結果、治療後には病的な歯周ポケットを認めない状態となり、エックス線・CT画像でもインプラント周囲組織の改善を確認することができました。発表では治療前後の画像も提示し、インプラントを残すためには感染の除去だけでなく、再発しにくい周囲組織の環境をつくることが重要であることを考察しました。
今回の症例を通して改めて感じたのは、インプラント治療は「インプラントを入れて終わり」ではないということです。
インプラントを長く使用していただくためには、定期的なメインテナンスによって炎症を早期に発見するとともに、歯周組織や噛み合わせ、清掃状態などを継続的に管理していくことが重要です。
また、インプラント周囲炎が進行してしまった場合でも、状態によってはインプラントを撤去するだけではなく、再生治療などによってインプラントを保存できる可能性があります。
当院では、日本口腔インプラント学会専門医として、インプラントを「入れて終わり」にするのではなく、長期的に安定して使用していただくための診断・治療・メインテナンスを重視しています。
また、日本歯周病学会指導医として、インプラントだけを見るのではなく、周囲の歯肉や骨、残っている天然歯を含めた口腔全体の健康を守ることを大切にしています。
今回の学会発表で得られた知見も日々の診療に還元し、インプラント周囲炎の予防や早期発見、そして可能な限りインプラントを長く維持できる治療に努めてまいります。
医療法人社団TND 理事長/歯科医師
日本歯周病学会 指導医・専門医
日本口腔インプラント学会 専門医
日本臨床歯周病学会 学会未来委員会 委員
- 2011年3月 東京歯科大学 歯学部卒業
- 2013年3月 慶應義塾大学医学部 歯科・口腔外科学教室 研修医 修了
- 2016年4月 慶應義塾大学医学部 歯科・口腔外科学教室 助教
- 2018年11月 戸越なかやま歯科 開業
- 2024年12月 医療法人社団TND 設立




