砂糖と虫歯の関係性

砂糖と虫歯の関係性

砂糖と虫歯の関係性

糖にもいろいろありますが...

今回はう蝕(虫歯)と糖についてお話しをさせていただきます。
18世紀に砂糖の精製方法が世界中に伝わると砂糖の消費量はまたたく間に増大し、それとともに口腔内の細菌叢は多様性を失って、う蝕が大流行しました。

糖の摂取により細菌が酸を産生し細菌の棲む環境が酸性へと変化し、それに続いて生態が崩れることでう蝕が進行するからです。
糖を含む飲食物の頻回な摂取により、う蝕のリスクは高まります。
しかしながら、う蝕にならないために糖を全く摂取しないというのは、ありとあらゆる食品に糖が使われている現代社会において、きわめて難しいことです。

では、どのような飲食物に、う蝕の原因となる糖が含まれているのでしょうか?大きく3つに分かれます。

①甘味料
上白糖、黒糖、三温糖、グラニュー糖、異性化糖(〜液糖)、コーンシロップ、水飴

②加工食品
お菓子、パン、シリアル、スポーツドリンク、調整豆乳、ソース、ドレッシング、ケチャップ、みりん風調味料、のど飴

③天然の食材
果物、はちみつ、果汁

いろいろな糖がありますが、
これらはう蝕の原因となります。

また商品に「歯にやさしい」「砂糖不使用」と表示されていても、砂糖以外の糖が含まれていればう蝕になるので注意が必要です。
甘いものを食べてはいけないわけではありませんので、ノンシュガーやシュガーレス、糖類0と表示されている食品は、100g中の糖が0.5未満と少ないので、う蝕リスクの高い方は買う時の目安にするとよいかもしれませんね。

また、う蝕コントロールのために糖の摂取を減らす事はもちろん重要てすが、う蝕により大きく影響するのは、量と回数のどちらが重要か知っていますか?

カリオロジーの世界で有名な約70年前の研究
Vipeholm studyでう蝕の発生と砂糖摂取の関係を調べた内容では、
口腔清掃不良であったため、砂糖の摂取量が多いうえに間食でも砂糖を摂取した人には、う蝕が非常に多く認められました。
その一方で砂糖の摂取が多くても、食事の時のみまたは4回までの人は、う蝕の発症は見られたものの増加はゆるやかでした。
研究からでも、糖の摂取量とう蝕発症の相関性は弱いとされていて、量よりも回数増加のほうが、う蝕の重要なリスクと言えるのです。
う蝕リスクを低く抑えるためには、ダラダラずっと食べるのではなく、時間を決めて糖を含む飲食を1日4回までとするのがいいと言われています。
またう蝕の発症には多くの因子が関わるので、私たちは患者様に指導をさせていただく際には、回数以外の要素も考慮していきたいと考えております。

また、う蝕の原因にならないのは代用甘味料です。
細菌が栄養として代謝することができないため、酸産生性がまったくないか、あっても低く非う蝕性または低う蝕原性です。
代用甘味料にも色々分類されますが、糖アルコールは多くの製品で用いられいます。
中でもキシリトールは、ガムの原材料としてよく使われています。
キシリトールガムを食べると歯根膜と味覚への刺激により唾液が出て、唾液の緩衝能により間接的にう蝕をコントロールできると言われているので、代用甘味料で対応するのも良いと思います。

う蝕になりにくい口腔内にするには、糖に対する適切な知識に基づいた食生活を送れば、う蝕はそれほど頻回に起こるものではないのです。
患者様1人1人意識を変えてもらうことが大切です。
難しく考えないで身近な飲み物、例えばコーヒー、紅茶には砂糖を入れず飲む習慣にするなど、少しずつ変えていただけたらと思います。

私たちと一緒に正しい知識と意識でう蝕を予防していきましょう。


歯科衛生士 林